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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 しかし、即座にその目には鋭さが戻る。そうして、その目を向けられたのは――

「涼一、なにをしている?」

 コメント欄は、もう文字が追えないほど。【なになに、どーゆーこと?】【二人とも岸本って!?】【もしかして、息子と娘か?】と、興味津々にその後の状況を見守っているようだった。

「まあまあ、最初に私の方で、状況を整理させていただきますね」

 丸田がそう言うも、岸本はそれを快しとはしなかった。

「必要ない」

「しかし、このままでは視聴者も混乱してますし」

「それも関係ない。配信を今すぐに中止させろ」

「そ、それは、できませんよ。私にだって配信者としても矜持というものがあります」

「では、君には頼まない」

 岸本が画面から外れた方に、目線を送る。と、その意図を汲み取ったのは、その取り巻きか。

 カメラが切り替わる。

 機材の置かれたテーブルに、黒いスーツを着た大柄の三人の男が迫っている。スタッフが必死に制止に努めるが、その内の一人が突き飛ばされてしまう。

 その画とは無関係に、画面の外からは丸田と岸本の口論が聞こえている。

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