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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


「岸本さん! 暴力も辞さないってことっすか? これだけの人が観てる前で!」

「構わん! 高々十万人程度、押さえ込んでみせる。アーカイブにも残さんし、拡散もさせん!」

「無理ですよ! ネットの力は、あなたが一番ご存じでしょう?」

「だからこそ、牛耳ることができる。それ相応の人脈を持ち、権力があるからな」

「それじゃあ、さっきアンタが否定していた、芸能事務所やテレビと同じじゃないですか!」

 丸田の叫びも虚しく、機材を守るスタッフは、黒スーツの男たちに蹴散らされようとしていた。

 すると、その時――

「オイ! 配信者なめんな、コノヤロー!」

 その場に乱入してきたのは、元ボクサー三人組の配信者ユニットだ。

 元ボクサー三人は、両手につけた大きなグローブを振り回しながら、必死に抗戦。機材の周囲に迫りつつあった黒スーツの男たちを、身を挺して遠ざけた。

 この混沌とした状況を、どう収集するのか。先に手を打ったのは、岸本英次だった。

「ハッハッハ! もう、それくらいでいいだろう」

 その声に伴い、カメラの視点が、元に戻された。

「丸田くんの仕掛けたサプライズに、むざむざ乗せられてしまうのが悔しくてね。こちらからも一つ、仕掛けさせてもらったというわけさ」

「なんですって?」

 これには、流石の丸田も驚きを隠せない。

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