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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
コメント欄には【そーなの?】【結局プロレスかよ】【でも、二人とはどういう関係?】といったものが流れている。
「では、この二人は?」
丸田に聞かれ。
「間違いなく、私の息子と娘ですよ」
岸本は余裕の笑みを浮かべ、平然とそう話した。
「つまり、最初から、あなたの指示で、ここに来たと?」
「ええ、そうです」
「涼一くん、本当にそうなのかい? この配信が始める前に我々に話してくれたことも、嘘だったということなの?」
「いや、息子を責めないでやってください。ほんの戯れです。なあ、涼一?」
両者から同意を求められ、視聴者の注目は必然的に涼一へと集まっていく。
そして、緊張の面もちながら、ついに涼一が口を開く。
「お願いがあります、父さん」
「ハッハッハ! 改まって、どうした?」
言葉の柔らかさに反し、野太い声、そして鋭い眼光が、息子の方に向けられていた。
「よく考えてから、ものを言えよ。今、お前があるのも、好き勝手にしていられるのも、誰のお陰なのか、じっくり考えてからな」
「……」
大きなプレッシャーに晒され、俯く涼一。
彼は自らの真意を、言葉として紡ぐことができるのか?