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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
すると、それまでじっと二人のやり取りを聞いていた、瑞月は言った。
「もう、傷ついてもいい。私のせいで、私の知らないところで、他の人が傷つくよりは……」
「なにを言うんだ、瑞月」
「それに私はもう、お父さんに守ってもらう資格なんて、ないの」
「それは、どういう意味――!?」
岸本が思わず目を見張ったのは、席を立った瑞月が、隣の涼一の頬に両手で触れ、そのまま顔を近づけたから。
「待てっ! なにを、する気だ?」
そして、二人の唇が触れたと思われた、その刹那――。
ガタンと画面に衝撃が走り、カメラの映像が岸本英次の怒り狂ったような表情のアップで、停止したのだった。
しかし、その後も岸本の叫び声と共に、コメント欄には更なるコメントが溢れかえった。
【まさかのキス!】
【兄と妹でキスとか】
【生配信でキス!?】
【瑞月ちゃんかわE】
【けなげ】
【涼一裏山】
「オイ、涼一! 瑞月と一緒にとは、そういう意味なのか?」
【血は繋がってないってよ】
【それより親父慌てすぎで草】
「瑞月、うう、嘘だろ? もう既に、父さんの知る瑞月ではないのか? 涼一! 答えろ! お前がっ、瑞月を汚したのかぁ!」
【流石にキショ】
【なにその反応?】
【親父が涙声w】
「本当にそうなら、この世から、抹殺してやるぞっ!」
それから数分後、波乱のまま生配信は終了した。