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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


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 思うところはあって……。俺だって最初から、親父のことが嫌いだったわけではなく。感謝しているというのも、アリバイのように、言い訳のように、そうした気持ちから口にしたことではないのだから。

 今日で全てが良い方向に転ぶなんてことは、ないのかもしれない。やり方が正解だったのかもわからないし、余計の物事を拗らせてしまった可能性すらある。

 でも気分は幾分、すっきりとしている。その実、なにかを失って、ぽっかりと穴が空いているのを、そう感じているのかもしれない。だけど、失うことは覚悟の上だから、なにかを失ってそこから始めなければならないと、ずっと、俺はそう望んでいたはずだから。

「私……これから、どうなると思う?」

 瑞月も同じようなことを考えていたのだろうか。その言葉には不安も滲んで聞こえたけれど、その眼差しは希望を宿してるようでもあった。

「悪いようにはならないさ。同じような目に遭っても、これからはいろんな人が味方になってくれる。最悪、俺同様に縁を切られたとしたら、その時は俺が責任を持って面倒を見るよ」

「それって……」

「ん?」

 瑞月は助手席のシートで、靴を脱いだ右脚を抱えるように座り、その膝に頬をつけて、俯き加減に、言う。

「それってさぁ。それって……兄、として?」

 その問いかけに対し、俺はもう迷うつもりはなかった。

「そうだな」

「へえ……」

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