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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第13章 エピローグ② 願うべき幸せ
「ごめん」
「え?」
「あの時、俺に幻滅したのかなって……」
あの夕陽を眺めた後にキスをして、いろいろな言葉を連ねたのは、彼女の力になりたい、支えたい、とそう思ったから――なのに、俺は。
彼女は視線を下げ、テーブルに置かれたコップの、透き通った水を見つめながら、言う。
「最初は少し、複雑な気分でした。でも、別荘から帰った後、木葉ちゃんと話したんです。お互いに自分の過去のことも――」
彼女はそこで一端、言葉を切って、上目遣いで俺を見つめてから、続けた。
「――涼一さんとの間にあったことも、その想いも、すべて」
「え……?」
まさか、そんな風に答え合わせされていたなんて……。
とすれば、失望や幻滅どころの話ではあるまいと、軽蔑されるのを覚悟をした時だった。
「ふふふ」
急に笑い出した彼女に、俺は唖然とした。
「笑ったりして、ごめんなさい」
「いや、でもなんで?」
「最初は、誰にでもいい顔して、とか。その場だけだ、とか。文句を言っていたはずなのに、話してる内に、涼一さんらしいなって思ったら、それは木葉ちゃんも同じだったみたいで……。気がつくと、二人で顔を見合わせて笑っていたんです」
「なんだか、面目ないというか、なんとういか……」
それ以上は言葉が見つからずに、頭を掻く。