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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第14章 エピローグ③ 笑顔と共に
彼女がトイレから戻ると、今度はこんな話になった。
「そういえば、つっちーと会ったんですって?」
「うん。去年ね」
「なに平然としてるんですか? 聞いてるでしょう。私たちが情報共有してること。このスケベ! 優柔不断!」
「ああ、うん……ホントに」
「まあ、私はある程度想定はしてましたけど、つっちーはああ見えて、結構ショック受けてたと思いますよ。この天然たらし! 八方エロ男!」
「ごめん……彼女にも謝ったから」
すると、それまで俺をイジっていた彼女が、急に神妙な顔になって。
「でも、誰かに話すこと……話せる友達がいるって、大事なことですよね。ホントに」
「あの後、瑞月とも?」
「話しました。あ、流石にお兄さんとの、肝心な部分は伏せましたよ。お兄さんへの復讐で近づいたけど、話して逆恨みであるとわかったという体です」
「それは……正直、助かる」
「あの後、二人はつき合っているものだと思ってましたから、当然です。あ、でも結局つき合わなかったんですよね。どうしてですか?」
「それは、また別の話ということで……」
「瑞月もそこは、はぐらかすんですよねー」
と、夏輝さんは納得してない様子ながらも、なんとか話を進めてくれた。
「私の場合、瑞月に近づいた経緯が経緯ですから……。最初はもう友達には戻れないことも覚悟したんです。だけど、酷い目に遭ったことを話して、思わず泣き出してしまった私のこと、瑞月は抱きしめて、一緒に泣いてくれたんですよ」
「……そっか」