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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第15章 エピローグ④ パートナー


「それはそうと、もう三時前ですよ」

 壁にかけた時計を指さし、五月女さんは言う。

「あ、そっか。打ち合わせ」

 俺は慌ててデスクから立つと、洗面所に行き、顔を洗った。

 2LDKのこのマンションは、事務所兼、仕事場兼、そして俺自身の住居という場所になっていた。

 仕事にある程度目処がついてここに移る際に、五月女さんに協力を求めたのは、一人では心許なかったから、というのが第一の理由。俺はとにかく細々とした雑務が苦手なので、その辺りをきっちりこなしてもらい、小説に集中しようというわけだ。

 彼女に頼った第二の理由は、彼女が口にした〝同志〟という言葉が頭に残っていたから。有能な五月女さんは想像以上に、多方面から俺を支えてくれている。

 程なく、インターホンが鳴った。それに五月女さんが応じて、訪問者を仕事場に迎え入れたようである。

 洗面所から戻った俺に、応接用のソファーから片手を上げたのは――

「こんにちは、先生。調子は、どうです?」

「まあまあだよ、高坂さん」

 そう、俺の担当編集者の――高坂文水。

 今日は雑誌に連載中の小説のについて、今後の展開を打ち合わせようというわけ、なのだが。

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