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落城
第2章 淫らな勝負
「志乃様、そのような勝負をして本当に大丈夫なのですか。この者たち、きっとよからぬ考えを持っているに違いありません」
茜は心配そうな表情で志乃を見た。
「大丈夫ですよ。佐々木殿だって武士。父の弟子だった人です。約束をたがえるような真似はしないでしょう。それに私には若君をお救いする義務があります。今はこの勝負を受けるしかないのです」
志乃は、すでに戦う目をしていた。黒い瞳がキラキラと輝いている。
一方、章介の隣では、悪太郎が苦虫を噛んだような顔をしていた。この男にしたら、もし章介が負けて、せっかくの儲けの機会が台無しになったら元も子もない。死んだ部下が浮かばれない、というところなのだろう。
「旦那、そんな勝負をして大丈夫なんですか?」
「そんな顔をするな。拙者のことが信じられないのか」
「そんなことはありませんが……」
「だったら大船に乗った気でいろ。面白いものを見せてやるから」
章介は、笑いながら悪太郎の肩をポンと叩いた。
茜は心配そうな表情で志乃を見た。
「大丈夫ですよ。佐々木殿だって武士。父の弟子だった人です。約束をたがえるような真似はしないでしょう。それに私には若君をお救いする義務があります。今はこの勝負を受けるしかないのです」
志乃は、すでに戦う目をしていた。黒い瞳がキラキラと輝いている。
一方、章介の隣では、悪太郎が苦虫を噛んだような顔をしていた。この男にしたら、もし章介が負けて、せっかくの儲けの機会が台無しになったら元も子もない。死んだ部下が浮かばれない、というところなのだろう。
「旦那、そんな勝負をして大丈夫なんですか?」
「そんな顔をするな。拙者のことが信じられないのか」
「そんなことはありませんが……」
「だったら大船に乗った気でいろ。面白いものを見せてやるから」
章介は、笑いながら悪太郎の肩をポンと叩いた。