この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
紅い部屋
第3章 9月中旬・月〜木曜日━変化━
それから私の1週間はあのバーの事と
ケイさんに会えるか、会ったときのための会話のシュミレーションで占められた。
シュミレーションをしておくと、空気を読めない会話は少なくなる、と思っている。大学生活で学んだ処世術だ。
会社でのルーチンワークや、お局様から定時際に頼まれる雑用も苦ではなくなった。
あと4回出勤したら。あと3回…
部屋の卓上カレンダーに赤ペンでバツを付け、毎日カウントダウンをする。
金曜日に着ていく服はもう既に月曜日に決めていてクローゼットから出して風通しのよい場所に吊るしてある。
いつもは殆どしないメイクも、家で何度も練習した。
全ては、金曜日の夜のために…