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紅い部屋
第7章 10月上旬━現実を見る━
もしかして、多頭飼いに興味があると思われただろうか。
「その関係性は私には向いてないと思います…多分、割り切れないと思います」
慌てて否定した。
圭吾さんは何も言わずニンマリと私を見た。
「そろそろ始まるよ〜」
シンさんが特製サンドイッチをテーブルに置きながら言った。
「今日はこれを見せたくて誘ったんだ」
圭吾さんがこちらに少し顔を寄せ、ステージに歩み寄る女性の後姿に向け顎を杓った。
そのひとは突端が見えそうな位胸元の開いたボディスーツにヒールを履き、店内中の視線を浴びながらゆっくりとステージに上がる。
見惚れる程美しい顔立ちで私達の方に“こっちへ来い”とハンドジェスチャーをした。
女王様だ…
私が呼ばれたのかと辺りを見回しドキドキしていると、後ろのソファ席から立ち上がった女性がヒール女性の横に立った。
呼ばれた方は薄手のニットにデニム姿といたって普通の格好で、肩をすくめ恥ずかしそうにしている。
カウンター席にいた客達が近くで見ようとわらわらと集まって来て、スツールが足りない人はステージの前の床に直に座り始めた。
ヒール女性がステージ脇にあったキャスターから真っ赤なロープを取り出すと、あっと言う間にニットの上から上半身を縛り上げた。
そして床を指差すと、縛られた女性は察したようにその場に跪いた。
「加わりたいコいる?」
そこで初めてヒール女性がぐるっと店内を見回し声をかけた。
床に座っていた女性達がどうする、と顔を見合わせている。
「君も行ってみる?」
圭吾さんが囁く。私は即座に首を大きく横に振るとケラケラと笑われた。
結局私より歳下であろう若い女性と、30代位の会社帰りぽい男性が立候補し先の女性と同じように上半身を縛られ、3人横並びに四つん這いにさせられた。
「今から返事は全て“ワン”よ。わかった?」
若い女性のお尻の上にヒールを乗せ3人に向け命じると皆素直に“ワン”と返事をする。
野次馬の男性達がクスクスと嘲笑した。まるで私が笑われたかのように恥ずかしく、顔が熱くなる。
女王様が、柄の途中からフリンジのように穂が何本もある鞭を両手でピンと張るように頭上に掲げると、パンパンパンとリズムよく3人のお尻目掛けて振り降ろした。