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父子の夜
第12章 ひとりエッチ
 
 
 夏休みが終わり新学期が始まる。雄平は久々に学校へ登校した。

「雄平っ!!」

その少年は、雄平の姿を視界に捉えるや、走って雄平の元へやって来た。

「柚琉っ、おはよ」
「雄平っ……」

一年生からずっと雄平と同じクラスで一番仲の良い、寺川柚琉は、じっと雄平の顔を見つめた。そして柚琉なりに、雄平のその表情が前と変わらないと判断する。

「おはよっ、雄平っ」

雄平がニッコリ笑い、柚琉も笑う。そして、柚琉は夏休みの間の色んな出来事を雄平に話し始めた。



 新学期初日は午前中のみ。雄平は柚琉と二人で下校する。

「雄平、このTシャツ可愛いね!」

柚琉の一言に、雄平は今日一番の笑顔で「ありがと」と答えた。
夏休み最後の日に鉄平と古着屋へ行き、鉄平に選んでもらったものの中の1枚だ。黒地にピンクのラインが入ったTシャツ。完全に鉄平の趣味だ。それでも雄平は嬉しくて、昨日から着ていたくらいなのだ。

「今日さ、かっちゃんたちと野球やるんだけどさ、雄平も来るだろ?」

「……今日はやめとく」

雄平の将来の夢はプロ野球選手であり、野球は好きなスポーツなのだが…。




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