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父子の夜
第12章 ひとりエッチ
鉄平は悶々とした気持ちをなかなか解消できずに生姜とニンニクのみじん切りした物を胡麻油で炒めていく。
チラリと雄平を見ると、素麺を食べ終えて、プロ野球中継に釘付けのようだ。
(……なんだよ。)
いつもは鉄平の周囲を蝶のようにヒラヒラ舞ったり、羊のようにぴったりと寄り添っているのに………。
(自分だけスッキリしたってか?……くっそぉ)
「わぁー!!」
パチパチと拍手する雄平。プロ野球選手のプレーに興奮し、思わず声をあげたようだ。
「雄平!来い!」
鉄平は火を止め中断する。
「…なぁに?父ちゃん……?」
鉄平が少し大きな声をあげるだけで雄平は怯える。ビクビクしながらキッチンへとやって来た。
火を切った後も、ジュワワ~…と音を鳴らしながら旨そうな匂いが香り立つ。
鉄平の顔中から汗が滴り、それを首に引っ掛けたタオルで拭きながら雄平の方に向き直った。