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父子の夜
第13章 追憶
『え…?そうなのか?』
『よく言うじゃない。女の子はお父さん似、男の子はお母さん似になるって』
『じゃあ、女の子はダメだな』
『どうして?鉄平に似たら綺麗な子になるよ、きっと』
『いや、ゴツくなったら困るじゃん。ムッキムキの女子レスラーとかさ』
鉄平はTシャツを胸の上まで捲り上げ、分厚い大胸筋をピクピク動かせた。
『ちょっと~!やめてよ!笑ったらお腹に響くからぁ!』
『笑うとこじゃねーよ?心配だって話だよっ』
鉄平もつられて少し笑う。
『楽しみだな。オマエ似の男の子』
『鉄平に似るかも』
『なんでもいいよ。無事に産まれてくれたら』
『そうだね…』
「聞いてるか?鉄平?」
おにぎりにかぶりついたままボーっとしていた鉄平。目の前のゴリラ顔に「どわっ!」と驚く。