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父子の夜
第14章 今宵の月のように
「と…父ちゃんっ…ボクっ……」
「雄平、行くぞ!」
雄平の言葉を遮り、鉄平は玄関へと歩き出した。
雄平からすれば、気分を高揚させるだけさせといて
“オアズケ”など到底納得できる事ではない。
しかし、雄平は一切文句は言わず、「待って」と、適当なTシャツを掴んで鉄平を追いかけた。
乳首を弄られた快感に足を縺れさせながら。
そんな雄平など構わずに、ずんずん進む鉄平。
雄平は、少し泣き顔を作り、小走りになりながら必死にその後ろをついていく。
今夜は満月。
丸い玉が夜空に輝く。
向かった先は、鉄平行きつけの焼き鳥屋だった。
「らっしゃ……おおっ、鉄ちゃん!久しぶり!」
店主の男が焼き鳥を焼きながら鉄平に笑顔を向ける。
その店主の男は、非常に背が高く、床が一段上がった調理場の中では頭が天井についてしまいそうなくらいだった。
「久しぶりっす。今日は、食いに来ました……息子と」
鉄平の背後に隠れる雄平を前に引っ張り出すと、雄平は赤い顔で「こんばんは」と小さく言う。
「こんばんは!……え?マジで鉄ちゃんの子供?可愛すぎるやん!全然似てないし!」
「どういう意味すか?ソレ」