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父子の夜
第14章 今宵の月のように
 
「コレ……今食おうか!」

店主が『奥さんへのお土産に』と持たせてくれた焼き鳥だ。

「持って帰っても、母ちゃん…もう、いないしなー……。なぁ、雄平?」

雄平は、その鉄平の言葉に、俯きながら、か細い声で「うん…」と答えた。

「こんな事になるなら、母ちゃんも連れてきとけばよかったぜ……」

たまに1人になりたい願望を持つ鉄平。急にフッと何処かへ姿を消す事があった。そんな時は大抵、あの焼き鳥屋で一杯やっていたのだ。
行きずりのオヤジと酒を酌み交わす。それがストレス発散になっていた。
そして、自分だけスッキリし、何食わぬ顔で帰宅する。
それでも妻は何も言わなかった。

「今日、オマエを連れて行ったように連れて行こうと思ってたんだ。それなのに……」

「それなのに」その言葉を繰り返し、鉄平は言葉に詰まる。
その瞬間、鉄平と雄平、どちらからともなく繋ぐ手に力を込めた。ギュッと重なる掌。

二人の視線がかち合い、鉄平が照れて目を逸らす。
雄平はじっと見上げたままだ。




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