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父子の夜
第15章 満月の夜の獣たち
 
気づいてはいるが、惚けたような表情を作り、雄平に答えを促す。

「アレで…ひとりで…やった…」

雄平は真っ赤な顔でテーブルの上に置かれたディルドを指差す。

「え?1人で?ディルドを?……父ちゃんに内緒でか?」

罪悪感を煽るような鉄平の言葉に、涙目で「ごめんなさい」と謝る雄平。鉄平は雄平が可愛くて堪らない。

「いいよいいよ、雄平。…んで、気持ちよかったか?」

鉄平の問いかけに雄平は首を横に振る。

「……痛かった」
「そうか。痛かったのか」

(それでか。あの日以来使った形跡が無かったのは…)

あれ以来、鉄平は密かにディルドが使用されたかをチェックしていた。

「父ちゃんにやってもらった時は気持ちよかったのに……痛かったよ?」

どうして?と見つめる雄平。
それ以前に……。

(そんな事言われたら……また正気を失うぜ?)

急激に昂る気持ちを必死で抑えながら、鉄平はゆっくりとジーンズのファスナーを下ろしていく。
その、ジジジジ……という音に、雄平も反応し、体を浮かせて鉄平の股間の方を向く。

「それはな、雄平」

雄平はハッとして顔を上げる。トランクスからはみ出た亀頭に目を奪われていた。



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