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父子の夜
第16章 熱帯夜
鉄平の言葉に雄平は萎縮し、緊張からか小刻みに震えだす。
「…………」
たとえ雄平の行動を焦れったく感じても、鉄平には責める権利はない。
雄平が怯えた態度を取るのは、あの夜の出来事が原因だからだ。
小さな体をブルブルと震わせる姿を見ると、鉄平は心が痛む。
ただ、あの夜が無かったら、今の二人の関係も無かったわけで…。
そう考えると、なんだか複雑な気分になるのだ。
「雄平……」
鉄平は雄平の腹に腕をまわし、ゆっくりと起き上がらせた。
「父ちゃんの膝の上においで」
鉄平の優しい口調に雄平は少し落ち着きを取り戻し、慌てて鉄平が胡座をかいて座る片腿の上に、ちょこんと腰を下ろす。
そして、嬉しそうに鉄平に微笑みかけた。
「さっきさ…、父ちゃんとやった時…気持ちよかったって言ったよな?」
「…うんっ」
首を縦に振った振動で不安定に揺れる雄平の体。その体を鉄平が抱き寄せる。
「気持ちよかったって、アレを雄平のお尻に入れた時か?」
鉄平がテーブルの上のディルドを指差すと、雄平は恥ずかしそうに頷く。