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父子の夜
第16章 熱帯夜
「じゃあ、指は?気持ちよかったか?」
鉄平の胸に頭を付け、雄平は、ぼんやりした表情で考える。
そしてまた小さく頷いた。
「そっか、そっか…。そんじゃ…コレは?」
鉄平が指差す先には……、
一向に勃起が鎮まらない剛直な肉棒がある。ソレを雄平にアピールするようにピクピク揺らす。
「……痛かったか?」
ディルド、指、チンコ。
最初の二つは好感触だった。しかし、チンコはどうだっただろう?見るからに痛そうだった……。
だから最後はオチ的な意味合いを持たせたつもりだったが…、
(雄平の不安を更に煽ったらどうしよう……)
鉄平は内心ドキドキしていた。
「…………」
雄平はじっと鉄平のブツを見つめた後、ゆっくりと鉄平に視線を合わせた。
「気持ちよかったよ…父ちゃんっ……」
先の二つの質問には頷くだけだった雄平が、ハッキリと言葉にして答えた。それも、真っ直ぐに鉄平の目を見つめて。
予想もしていなかった答えに、鉄平は照れながら、
「そ…そっか……」と返した。
これは、きっと、雄平の『優しい嘘』なのだろう……。
と、この時は、そう思っていた。