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父子の夜
第2章 暗闇に潜む化け物
母が死んで1ヶ月が過ぎた或る夜の事。夏場だというのに、雄平は頭まで布団を被っていた。就寝前は特に、一緒に寝ていた母を思い出し、布団の中で静かに泣くのだった。
母が死んでからは、隣に鉄平が眠るようになった。幼い息子が心配だったのか、自分が寂しかったのか……。
ボーン…と掛け時計が午前0時を知らせる。それが何かの合図であったかのように鉄平が雄平の布団を捲り、中に潜り込んできた。
「……とぅ…ちゃん?」
驚いた雄平は鉄平をじっと見つめた。鉄平は雄平の小さな体の両脇に腕を置いて雄平に覆い被さっている。
「父ちゃん…?どうしたの?」
横に寝そべるでもなく、雄平の上に覆い被さり、じっと見つめている。暗闇の中で見る鉄平の目は眼光鋭く、雄平はだんだん怖くなってきた。
「とっ…父ちゃんっ…」
「雄平。黙ってろ。今から俺が何しても、黙ってろ。声出したら…お前を殺して、俺も死ぬ。わかったな?」
わからない……。恐らく雄平はそう思っただろう……しかし、理由を考える暇も与えず、鉄平は雄平の白いブリーフを脱がせにかかった。
「とっ…とぉっ…父ちゃんっ…!」
雄平は抵抗するようにブリーフを両手で掴んだ。