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父子の夜
第5章 そして、始まる
「雄平…できないのかよ?」
泣きながら激しくかぶりを振り、鉄平のペニスにおそるおそる舌を伸ばした雄平。
ツー…と、陰茎に柔らかい舌の感触。下から上へと舐めて、一度鉄平を見た。
鉄平はそれを無言で見つめ返す。
何でも受け入れる覚悟を決めていた雄平。そんな息子の強さに比べ鉄平はというと……。
『父ちゃんの言う通りにするから』
雄平がセックスを拒んだ際には、留守電に残したメッセージを責める道具として用意していた。
そんな汚くて弱い自分が恥ずかしくて…、情けないくて…。
消えてなくなりたい程だった。
だから、雄平が未経験の出来事に直面し、狼狽え、
「できない」と言うのを待っていた。
しかし、言わない。
言う気配はない。
雄平はもう一度舌を這わせる。
仕事終わりにシャワーを浴びて帰ってきてはいるが、鉄平のペニスは汗臭い匂いが残っていた。
でも雄平の嫌いな匂いじゃなかった。
それは、鉄平の…いや、大好きな父ちゃんの匂いだからだ。
「雄平、もっと工夫して舐めろ」
雄平は戸惑いの表情を浮かべ固まってしまう。まだこのペニスを舐めるという行為がどういう事なのかを全く理解していないのだ。