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父子の夜
第6章 思い出の更新
「父ちゃんっ!おかえりなさいっ!」
鉄平はビックリした表情で「ただいま」と言う。
その右手に提げたスーパーの袋を雄平が受け取り部屋の中へ入っていく。
「…………」
「…………」
すっかり会話するのが苦手になってしまった2人。相変わらず家の中は静かだ。
スーパーの袋の中の食材を冷蔵庫に仕舞うと雄平は、ぴったりと鉄平に寄り添っていった。
「今日、銭湯いくぞ」
「うんっ!」
銭湯へ行く途中にあるコインランドリーへ寄るために、袋に汚れ物を詰める鉄平。
風呂や洗濯機がないのは不便だな…と毎回思う。
その鉄平の横で雄平も自分の汚れた下着などを袋に纏めていた。
「雄平」
「なぁに?」
雄平の背後から片腕を華奢な体にまわす鉄平。雄平はドキドキしながら少しだけ振り返った。
「今日ヤるぞ」
鉄平のその言葉に、雄平は赤くなりながら小さく頷いた。
「……今日は、こっちだ」
抱き締める手とは違う方の手が雄平の尻に触れた。
その瞬間、雄平の体はビクンと跳ね上がった。それでも雄平は頷く。