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父子の夜
第7章 蛍光灯の下で
アパートに戻り部屋に辿り着くと二人を包む空気が変わった。
鉄平、雄平共に表情から緊張した様子が窺える。
雄平は、あの夜の出来事を思い出して緊張していた。
まだ怖い。
獣のような鋭い眼光を向ける鉄平に覆い被さるように押さえ込まれ、無理やりに犯された。
ソレを今からやるのだ。怖くて仕方がない。
部屋の真ん中で俯いて立っている雄平をよそに、鉄平は押し入れを開け布団を出してきた。
心臓が早鐘を打ち、雄平は呼吸を荒く弾ませながら、鉄平の方を向いた。
鉄平も布団を敷き終え、雄平を見下ろしていた。
「雄平、服脱げ」
雄平は大きく頷き、それに答えた。
Tシャツと半ズボンを脱いでブリーフ一枚になる雄平。
鉄平も自身のタンクトップに手をかけ脱ごうとして、その動きを止めた。
そして、箪笥の前に行く。
その上に置いていた小さなボトルを手に持ち、妻の遺影を収めた写真立てを伏せて置いた。
「死んでから母ちゃんに合わす顔ねぇな……俺」
雄平と目が合い、バツの悪そうな顔をして鉄平は頭を掻きむしる。