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父子の夜
第7章 蛍光灯の下で
「死んじゃやだよぉ…」
死ぬという言葉に反応した雄平は涙目になる。
「…いま死ぬって事じゃねぇよ?お前が独り立ちするまでは仕事頑張らないとな」
鉄平は苦笑いしながら雄平の頭を撫でたが、雄平は不安そうに鉄平を見上げる。
「死なないでっ…ずっとボクのそばにいてっ…ねっ?父ちゃんっ………」
顔を歪め、必死に縋り付いてくる雄平を鉄平はしゃがんで抱き締めた。
「わかった。ずっとそばにいる」
雄平の隣に居てくれる大切な誰かが現れるまで。
「父ちゃんっ…大好き……」
「父ちゃんも雄平の事、大好きだよ…」
犯された夜に父子の間で交わした『大好き』という言葉。
鉄平は、あの夜と同じく息子として大好きだ……と口にしたが、
雄平は、あの夜と違い、父親としてじゃなく1人の人間として大好きだ、と告白したのだ。
恋人として扱ってほしいなどという気持ちは全くない。ただずっとそばに居てほしいだけ。
それだけだ。
「父ちゃんっ……」
その行為が自分の身に危険を及ぼすかもしれないとはわからず、雄平は自ら鉄平にキスをした。