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父子の夜
第10章 立ち入り禁止
「洗いたい!」
雄平は茹でダコのように真っ赤になる。
「雄平、大丈夫だ。父ちゃん、そういうの気にしないぞ?」
「ボクがイヤだよぉ…」
とは言うものの、風呂は無いわけで。
「いやいや、体が小さいってのも得だよなぁ……」
雄平はキッチンの流し台の中でお尻を洗う。巨体の部類に入る鉄平では到底無理な芸当だ。
(あれだけ嫌がったとこを見ると昼間×××したって事か……)
雄平がそれを恥ずかしがるのが可愛い。それに匹敵するような恥ずかしい事もしてきたのに……。
鉄平は自然と笑みをこぼす。
「父ちゃん…石鹸ちょうだい……」
「んあ?おう」
鉄平は部屋へと戻り、銭湯へ持っていく袋の中から石鹸を手に取る。
キッチンへやって来た鉄平に、恥ずかしそうな顔つきで手を伸ばす雄平。しかし、鉄平は石鹸を渡さない。
「父ちゃんが洗う」
有無を言わせぬ口調だった。
蛇口を捻り水を流しながら石鹸を泡立て、水を止める。
水滴がステンレスを打つ音にも雄平はビクビクしている。
クチュクチュクチュクチュ…
鉄平は十分に両手を泡立てると、石鹸を雄平の近くに置いた。