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父子の夜
第3章 長い1日
雄平が失ったものは母親だけではなかったのだ。
「…っく……んっく……」
雄平は1人だというのに声を押し殺して泣く。そして疲れて眠りについた。
夢の中では、家族3人で近所の銭湯に行っていた。
鉄平が背中を擦ってくれ、雄平も鉄平の背中を擦る。
『サンキュ』
鉄平はニカッと笑うと、雄平の頭を大きな掌でワシワシ撫でる。
雄平は頬を赤く染めてニッコリと笑った。
さっぱりとした短めのソフトモヒカン。綺麗にブラウンに染められた髪が、目鼻立ちのくっきりした鉄平によく似合う。
同級生の親父たちの中でも1番若くて1番カッコいい。雄平の自慢の父ちゃんだ。
『おっし浸かろう!母ちゃんまた長風呂だから、ゆっくり浸かろうぜ』
『うんっ!』
椅子から立ち上がった鉄平の体を見る。高校を卒業してすぐ土方に就職し、今まで真面目に働いてきただけあり、分厚い筋肉に覆われた素晴らしい肉体をしている。所謂マッチョ体型だ。
そして、股間にぶら下がるイチモツ。銭湯で見かける男たちの誰よりもデカかった。
『な~に俺のカラダ見て赤くなってんだよ!』
鉄平の言葉に雄平は慌てて否定しようとしたが、逞しい腕に抱えられ湯船に連れていかれた。