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父子の夜
第11章 繋がる赤い糸
そして、雄平が発した第一声は鉄平が予想もしない意外なものだった。
「とぉちゃ…気持ちいい…よ」
鉄平は目を丸くして雄平を見つめる。
声だけをとれば何らおかしくはない言葉だ。とても気持ち良さそうではあったからだ。
ただ、雄平は先ほど、
『気持ちいい』とは意地でも言わなかった。恥ずかしかったのかもしれない。それが何故、今そう言ったのか?
「父ちゃんっ……気持ちいいよぉ……」
まだ前立腺にも届いていない。
ディルドは、ただ入り口に挟まっているだけのような浅めの位置で止まったままだ。
「そうか……それは……良かった……」
(なんだよ、その返しは……!)
鉄平は自分で自分にツッコミを入れる。
「ふあぁぁぁんッ!父ちゃあんッ!!」
今、深くディルドを押し入れて前立腺に当たったようだ。
雄平の反応でそれが解る。
「父ちゃんっ……大好き……大好きっ……」
「…………」
鉄平はいつものようには返せなかった。
それでも雄平は気持ちをぶつける事をやめない。
「父ちゃんっ…ずっと…ずっと…ボクのそばにいてね……」
鉄平は雄平を見つめたまま何も応えない。