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父子の夜
第11章 繋がる赤い糸
「父ちゃんっ…大好き…」
「…………」
「父ちゃんが…大好きっ…大好きっ…大好きっ……」
鉄平の決心を揺るがす絶妙なタイミングでの愛の告白。
それに動揺して鉄平が目を泳がせると、雄平はまるでこの機を逃さないかのように、真っ直ぐ鉄平を見つめ、ただひたすらに自分の気持ちを伝えようと声をあげた。
「父ちゃんっ…大好きっ…大好きっ……」
「と…父ちゃんも…雄平が好きだ……!」
思わず口を衝いて出た鉄平の本音。鉄平は『しまった!』と、慌てた表情を見せた。
いつもと同じ言葉だが、鉄平のその表情からいつものものとは違うと雄平は判断する。
その瞬間、顔をクシャクシャにして泣き出した雄平。やっと想いが通じてホッとしたのかもしれない。
鉄平はもう隠しきれないと観念し、思いの丈を打ち明ける。
「雄平が好きだ。ずっと雄平のそばにいたい……」
「ボクもっ……」
しゃくりあげながら雄平も必死に応える。
「雄平……ずっと父ちゃんのそばにいてくれないか?」
雄平は泣いたまま何度も何度も頷いて見せた。
そして、二人はひしと抱き合いながら、競うように愛を囁き合った。