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フレンズ
第1章 フレンズ
「ねえ、文香は?」

私はちょっと怒って言った。

前回と同じことを繰り返しているように見えた克巳にいら立つ。

これ以上文香を傷つけないで欲しい。

「聞きたいのはこっちだよ。文香、どこにもいないんだよ」




私は慌てて部屋に戻った。荷物はあった。

探し回ると、フロントの座席でじっと座っていた。

「文香…どうしたの?」

「ちょっと、食事に行きづらくて」

そう言った文香を連れ出して近くのカフェに入った。

朝食を食べ終えると文香は口を開いた。

「また、できなかったの」

「そっか…」

文香と同じように
肩を落とさずにはいられなかった。


「ちょっと雰囲気が悪くなり始めちゃった。
私ってだめだなぁ」

文香がつぶやく。

「今夜はさ、早いうちからあたし、
どっか出かけるからさ」

文香の両腕を取って励ます。



文香は微笑んで大きくうなずいた。
「ありがと、紗奈」



その晩、私は夕食後
浩也と行動を共にした。

克巳と文香は
近隣にお土産を買いに行くと言って出かけて行った。
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