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フレンズ
第1章 フレンズ
抱きしめられ、
頭をなでられ、頬にキスされる。
「やめて」
抱きしめてくる腕を突っ張って
体を引き離す。
「やめてってば」
ベッドから下りようと体をずらすと、
また抱き留められた。
「やめてよ、お願い」
後ろからぎゅうっと抱きしめられる。
胸が苦しい。
強引な克巳の腕の中で、
私は動くのをやめてじっとした。
逃げなければと頭では思うのに、
気持ちが彼から離れたくない、
このままこうしていたいと駄々をこねた。
「俺、もう自分に嘘つけないよ」
「訳の分からないこと言わないで」
「わかってるくせに」
「わからない」
(…うそ。本当は私、克巳が好き)
でも克巳は文香の好きな人。
文香を裏切るわけにはいかないよ。
そう思うのに、
体は克巳を求めてしまっている。