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フレンズ
第1章 フレンズ
私は大きくため息をつき、
横にあったベンチにすとんと腰を下ろした。

体に力が入らない。


「これでいいんだ…」



青い空を見上げて目を眇めながら、昨日、文香と話し合った時のことを思い出す。


**


「私、富樫くんのことが…好きなの」

文香は、顔を真っ赤にして声を絞って言った。

私は、やっぱりそうかと思いつつ、
動揺を隠すために、さりげなくうつむいた。


校舎の裏手にある、木陰のベンチ。

持参したランチを食べ終えて並んで座る二人に、
若葉の影と日差しのまだら模様が下りていた。



「そっか。教えてくれて、ありがとう文香」

私は文香の肩を抱いた。
文香の長い黒髪が、私の手の甲をさらりと滑った。



白い肌に艶のある黒髪、
古風だけど上品で可憐な文香は、
優しくてしっかり者で、私の自慢の親友だ。



同じく明るいトーンの肌をした私のほうは、
髪も同様に色素が薄い。

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