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フレンズ
第1章 フレンズ
「え?」
私は言葉の意味がすぐには呑み込めず、
文香の嬉しそうな目を覗き込んだ。
「付き合わないの?なんで?」
「親が、交際は禁止って言うから」
私は言葉を失った。
文香の箱入り娘ぶりは、常軌を逸している。
それはこれまで付き合ってきて、
よくわかっていた。
けど、親の言いつけを守って
両想いの男の子と交際もしないだなんて。
「文香はそれでいいの?富樫は?」
「うん。富樫君も、
分かった、って言ってくれた」
**
「なんか、話、違くないか?」
富樫克巳はちらりと、
ちょっと責めるような目で私を見た。