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フレンズ
第1章 フレンズ
ここはキャンパス近くの小さな喫茶店。
大学通りとは反対の住宅街の中で、
主婦が自宅の片隅を改修して
趣味で開いている小さな店なので、
学生たちにはほとんど知られていない。
私にとってこの店はちょっとした隠れ家で、
ゆっくり本を読みたいときに立ち寄る。
この店を教えてあげたのは、克巳ひとり。
克巳はアイスティーをごくりと飲んでから腕を組んだ。
「お互いに好きだって確認はできても、
付き合わない…って。
すげえ肩透かし食らった気分だよ」
「ごめん。
文香は克巳が大好きだけど、
親から交際を禁止されてるから
仕方ないんだって言ってた」
「親から禁止って…
もう大学生だよ?
じゃ、これからも今まで通りだよね」
「今まで通りじゃないよ…」
私は言ってからアイスティーを一口飲み、
奇妙な緊張で渇く口内を濡らしてから
テーブルに置いた。
「文香ね…
克巳に、キスしてほしいんだって。
それと、その先も…」
「え」
克巳は硬直して、
直後、首から上がみるみると赤く染まっていった。
大学通りとは反対の住宅街の中で、
主婦が自宅の片隅を改修して
趣味で開いている小さな店なので、
学生たちにはほとんど知られていない。
私にとってこの店はちょっとした隠れ家で、
ゆっくり本を読みたいときに立ち寄る。
この店を教えてあげたのは、克巳ひとり。
克巳はアイスティーをごくりと飲んでから腕を組んだ。
「お互いに好きだって確認はできても、
付き合わない…って。
すげえ肩透かし食らった気分だよ」
「ごめん。
文香は克巳が大好きだけど、
親から交際を禁止されてるから
仕方ないんだって言ってた」
「親から禁止って…
もう大学生だよ?
じゃ、これからも今まで通りだよね」
「今まで通りじゃないよ…」
私は言ってからアイスティーを一口飲み、
奇妙な緊張で渇く口内を濡らしてから
テーブルに置いた。
「文香ね…
克巳に、キスしてほしいんだって。
それと、その先も…」
「え」
克巳は硬直して、
直後、首から上がみるみると赤く染まっていった。