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Call Girl
第4章 Call 4

その言葉を藤堂は聞いてこう思っていた。
佳穂は今後二度とコールガールの仕事はできないだろう…と。
事実上の引退である。
佳穂は懐かしい我が家へと戻っていった。
2匹の飼い猫が出迎えてくれる。
入院中はずっと伊藤が自宅に来て猫達の面倒を見てくれていた。
佳穂のマンションで藤堂がこう話す。
「佳穂ちゃん、先生が退院する時に言ってたけど、今後、これ以上コールガールの仕事は無理だ。これを機にコールガールは辞めた方がいい」
「分かってるわ。私もそれを考えていたところよ」
「なら、良かった」
「でも、私、コールガールの仕事を辞めたら何をして暮らせばいいのかしら?」
「僕のクラブで働きなよ。事務の仕事だってある」
「そう?私にできるかしら?」
「できるとも」
藤堂はそう言うと笑って見せるのだ。
佳穂は複雑な気持ちで藤堂を見ていた。
伊藤にも会いたいと思っていた。
今夜、来てくれると言っていた。
伊藤の渡米までの時間は迫っていた。
来週にはアメリカへと行ってしまうのだ。
窓の外を見ると暖かな日の光が部屋へと差し込んでいた。

