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Call Girl
第4章 Call 4
そう言うと伊藤は部屋に入って来た。
2匹の猫達は伊藤が来たので嬉しそうに脚にスリスリをしてくるのだ。
薔薇の花束をテーブルに置くと佳穂はキッチンに行き伊藤の珈琲を淹れた。
その珈琲を持ってソファーに腰かけた。
佳穂が話始める。
「さっきまで、藤堂さんが来ていたんだけど、その時の話しで私はこの先、コールガールの仕事はできないって事になったの。事実上の引退ね」
「そうだよ、もうこれ以上コールガールの仕事はしなくていいから」
「私、この先どう生きてゆけばいいのかしら。藤堂さんはクラブのオフィスで働けばいいって言ってくれたけど」
「それもいいね」
「そうかしら」
「そうだよ。僕がアメリカから帰るまでの間、クラブで事務の仕事をすればいいよ」
「そう?」
「うん、帰国したら結婚しよう…」
「え?」
佳穂はこの話しを聞いて言葉を失った。
自分の聞き間違いではないかと思ったのだ。
すると、また伊藤が言ってくる。
「佳穂、僕と結婚してくれないか?」
この言葉を聞くと非常に驚いてしまった。
この様なコールガールであった自分と結婚したいと言ってくれる人が居るのだ。