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Call Girl
第2章 Call 2
「分かった。俺は日本酒だな」
黒崎はそう言うと店員に飲み物を頼んでいた。
黒崎は歌舞伎町でキャバクラやホストクラブなどを経営していた。
なので、いつも動き出すのは夕方から夜にかけてが多かったのだ。
そうこうしているうちに、飲み物が運ばれてくる。
酒を飲みながら黒崎が話しかけてくる。
「俺さ、結婚してたんだけど、離婚してさ」
「離婚の理由はなんですか?」
佳穂はこう聞いてみた。
「俺、仕事でちょっとイライラしちゃうことがあると家に帰って女房に当たるんだよ。それで度が過ぎて女房を殴ってしまうんだ…」
佳穂はDVが原因で別れたのか。
そう思っていた。
「女房以外の女には手は上げないから安心してな…」
黒崎はそう言うとちょっと暗い顔をした。
佳穂は黒崎をそんなに悪い男ではないと感じていた。
少なくとも自分にはこうして親切に優しく接してくれている。
カウンターの向かいにいる大将が聞いてくる。
「黒崎さん、今日は何にします?」
「今日も、いつものでいいよ」
「はい、わかりました」
大将はそう言うと寿司を握り始めた。