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Call Girl
第2章 Call 2
こうして酒を飲んでいる間でも、黒崎の店の若い者がちょくちょくと黒崎の所に会いに来るのだ。
どうやら、仕事の話しらしい。
黒崎はその度に指示を与えていた。
黒崎は若い連中からかなりの信頼を受けている様であった。
若い者はみな、「黒崎さん、黒崎さん」と言っては仕事の話しをしてくるのだった。
佳穂は黒崎にこう言った。
「黒崎さんは、若い人から信頼されてるんですね」
「そうかなぁ?俺、かなり厳しいこと言ってるぜ?」
「それでも、みな黒崎さんを慕ってますよ」
「そうか?」
黒崎はそう言うと照れくさそうに笑った。
佳穂も微笑んだ。
「けど、俺さ、こう見えても結構孤独なんだぜ」
「え?そうなんですか?」
「うん、ひとりで事務所にいるとスゲー孤独を感じるんだ」
佳穂はそれを聞いてそうなのか。
と、思っていた。
これだけ、若い者から慕われているのに孤独を感じているとは思えなかったのだ。
黒崎の心の中には何か言い知れないものが隠されているように思っていた。
暫くすると寿司を握っていた大将が握った寿司をカウンターの二人の目の前に置いた。
「はい、黒崎さん、いつもの握りね」
「あぁ、ありがとう」