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Call Girl
第3章 Call 3
そのカレーは香辛料が効いているがバカみたいに辛くはなかった。
ココナッツミルクが入っているからだろうか。
辛さの中にも甘みがあったのだ。
「とても美味しいわ」
「だろう?」
「ええ、初めて食べるわ」
「気にいってくれて良かった」
伊藤はそう話すとまた一口カレーを食べた。
店の奥のテーブル席にはひとりの男が座って二人が食べている姿をじっと見ていた。
ずっと佳穂を見ている様である。
伊藤にこう言った。
「奥の席の男がずっと私を見てるわ。何だか怖い」
「気にしないで食べなよ。僕が居るから大丈夫さ」
「そう…」
佳穂の美しさは他の男の目を引くものだったのだ。
その後も二人の食事が終わるまでその男は佳穂を見ていた。
暑くて短い麻布十番納涼まつりの1日が終わろうとしていた。