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第3章 　Call 3

（6）赴任
季節は穏やかな秋から厳しい寒さを感じる冬へと移ろっていった。
佳穂は伊藤と初めて身体を重ねてから数週間が経っていた。

少量の出血の事が気になっていたが、気のせいだろうと思い考えるのをやめていた。
今朝も起きるとピルを飲み珈琲を淹れて新聞を読みながらそれを飲んでいた。

佳穂の携帯が鳴る。
出てみるとクラブプリマヴェーラの藤堂からだった。

「佳穂ちゃん、今日は空いてる？」
「はい、空いてます」

「また、伊藤さんから指名だよ。自宅に来て欲しいって言ってたから。直ぐに行ってあげて」

「はい、分かりました」

そう言うと電話は切れた。
佳穂は急いで身支度をした。

そして、東横線に乗り学芸大学へと行ったのだ。
マンションのエントランスに着くと505号室のボタンを押した。

「ガチャ」と音がしてエントランスのドアの鍵が開いた。
自動ドアが開いてエレベーターへと向かう。

エレベーターに乗ると5階を押した。
5階で降りる。

505号室を目指して歩いてゆく。
部屋のインターホンを押した。

伊藤が玄関のドアを開けて出てきた。