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Squall(スコール)〜ボクっ娘は雨に濡れて拾われる
第6章 旧華族屋敷
「ユーレイは見てないですけど、変でした。怖かった」
その時のことを思い出し、スミカはブルっと震えた。
「ユーレイはいない。ただ、古い建物にはな。人が暮らしていた時の記憶が刻まれているんだ。だからそこにいると、たまにおかしな雰囲気を感じたりするんだよ。とにかく俺が悪かった。案内する方角をうっかり間違えた」
やっぱり本当は怖い人じゃなさそうだ。それに…
「初めて名前で呼んでくれました」
「…あ?」
「おまえじゃなくて、スミカって呼んでくれた」
変なものを見るような目つきで彼はスミカを眺めた。
「それって重要なことか?」
「はい。とっても」
「ふうん」
鼻を鳴らし、彼はパソコンのモニターに目を向けた。スミカが待っていても、もう喋ってくれない。
その時のことを思い出し、スミカはブルっと震えた。
「ユーレイはいない。ただ、古い建物にはな。人が暮らしていた時の記憶が刻まれているんだ。だからそこにいると、たまにおかしな雰囲気を感じたりするんだよ。とにかく俺が悪かった。案内する方角をうっかり間違えた」
やっぱり本当は怖い人じゃなさそうだ。それに…
「初めて名前で呼んでくれました」
「…あ?」
「おまえじゃなくて、スミカって呼んでくれた」
変なものを見るような目つきで彼はスミカを眺めた。
「それって重要なことか?」
「はい。とっても」
「ふうん」
鼻を鳴らし、彼はパソコンのモニターに目を向けた。スミカが待っていても、もう喋ってくれない。