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ex-girlfriend
第2章 僕の家族
「わ。
小林くんの淹れたコーヒー、
とても美味しい!」
猫舌で息をフーフー吹き掛けてから慎重に一口飲んで、
彼女がニッコリするので、
「猫舌のくせに、
判るんだ?」と照れ隠しに言うと、
「小林くんて、本当に意地悪ね?」と、
頬を膨らませた。
そんな顔されたら、
もう、降参だよって感じで笑ってしまった。
「この子、名前は?」
「ミリオン」
「えっ?」
「姉貴が飼ってた犬でさ。
100万だったから、ミリオンって名付けたって言ってた。
酷い名前だけど、
途中で名前、変えられないしね」と言うと、
相棒に名前で呼び掛けてあげてて、
ヤツは嬉しそうに涎を垂らしていた。
「お姉様はお元気なの?」と言われて、
一瞬、言葉に詰まってしまう。
彼女は、
「あ…。
ごめんなさい。
立ち入ったことを訊いて…」と言うので、
僕は何でもないような顔で、
「亡くなったんだ」と言った。
「この部屋も、姉貴が遺した部屋で、
こんな景気だと売却しても二束三文だし、
税金掛かるから、僕が住むことにしたんだ。
ある意味、事故物件だしね?」と言うと、
彼女は少し震えたように見えた。
小林くんの淹れたコーヒー、
とても美味しい!」
猫舌で息をフーフー吹き掛けてから慎重に一口飲んで、
彼女がニッコリするので、
「猫舌のくせに、
判るんだ?」と照れ隠しに言うと、
「小林くんて、本当に意地悪ね?」と、
頬を膨らませた。
そんな顔されたら、
もう、降参だよって感じで笑ってしまった。
「この子、名前は?」
「ミリオン」
「えっ?」
「姉貴が飼ってた犬でさ。
100万だったから、ミリオンって名付けたって言ってた。
酷い名前だけど、
途中で名前、変えられないしね」と言うと、
相棒に名前で呼び掛けてあげてて、
ヤツは嬉しそうに涎を垂らしていた。
「お姉様はお元気なの?」と言われて、
一瞬、言葉に詰まってしまう。
彼女は、
「あ…。
ごめんなさい。
立ち入ったことを訊いて…」と言うので、
僕は何でもないような顔で、
「亡くなったんだ」と言った。
「この部屋も、姉貴が遺した部屋で、
こんな景気だと売却しても二束三文だし、
税金掛かるから、僕が住むことにしたんだ。
ある意味、事故物件だしね?」と言うと、
彼女は少し震えたように見えた。