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ex-girlfriend
第3章 僕の結婚

妻とは、見合いをした後、3回ほどデートをした。
向こうの希望で、
クラシックコンサート、
箱根へのドライブ、
それに、結婚式の衣装あわせ。
しかも、毎回、母親がついてきて、
食事の時も話をするのは母親だった。
この子は引っ込み思案で、
お喋りが苦手で。
そう言って、
ずっと喋り続けるのを聴きながら、
合間に彼女に質問をしてみたけど、
僕の顔を見ることもなくて、
斜め方向を見ながら小さい声で何かを言って、
それを母親が中継するような、へんなデートだった。
でも、大人しいというより、
どこか不自然だと感じることはあった。
それなのに、
僕は深く考えもしないで、
見合い結婚に対してNOと言わなかった。
自分の仕事上の上司に仲人を頼み、
盛大な結婚式を挙げた夜、
ホテルのスイートルームで初めて二人きりになった。
流石に母親がついてくることもなかった。
ホテルが用意したシャンパンを開けて、
フルートグラスに注いで勧めると、
首を振った。
仕方なく一人で飲み干して、
グラスを置いて手を握ると、
凄い勢いで振り払われてしまって、
思わず「えっ?」と声が出てしまった。
彼女を見ると、ブルブルと身体を硬直させて震えている。
なに?
これ?
なんかの発作?
驚いてもう一度そっと手に触れると、
叩き落とす勢いで手を振り解いた。
そして、何かを呟いているのに気付いて、
耳を傾けると、
彼女は呪文のようにブツブツとこう言っていた。
「気持ち悪い。
触るな。
気持ち悪い。
触るな。
気持ち…」
なに、それ?
僕は驚くと同時に、混乱して、
ひどく傷付いた気持ちになった。
それで、彼女をそのまま残して、
スタスタと寝室に行ってベッドに潜り込んだ。
そして、結婚式の疲れもあったのか、
そのまま眠ってしまった。
向こうの希望で、
クラシックコンサート、
箱根へのドライブ、
それに、結婚式の衣装あわせ。
しかも、毎回、母親がついてきて、
食事の時も話をするのは母親だった。
この子は引っ込み思案で、
お喋りが苦手で。
そう言って、
ずっと喋り続けるのを聴きながら、
合間に彼女に質問をしてみたけど、
僕の顔を見ることもなくて、
斜め方向を見ながら小さい声で何かを言って、
それを母親が中継するような、へんなデートだった。
でも、大人しいというより、
どこか不自然だと感じることはあった。
それなのに、
僕は深く考えもしないで、
見合い結婚に対してNOと言わなかった。
自分の仕事上の上司に仲人を頼み、
盛大な結婚式を挙げた夜、
ホテルのスイートルームで初めて二人きりになった。
流石に母親がついてくることもなかった。
ホテルが用意したシャンパンを開けて、
フルートグラスに注いで勧めると、
首を振った。
仕方なく一人で飲み干して、
グラスを置いて手を握ると、
凄い勢いで振り払われてしまって、
思わず「えっ?」と声が出てしまった。
彼女を見ると、ブルブルと身体を硬直させて震えている。
なに?
これ?
なんかの発作?
驚いてもう一度そっと手に触れると、
叩き落とす勢いで手を振り解いた。
そして、何かを呟いているのに気付いて、
耳を傾けると、
彼女は呪文のようにブツブツとこう言っていた。
「気持ち悪い。
触るな。
気持ち悪い。
触るな。
気持ち…」
なに、それ?
僕は驚くと同時に、混乱して、
ひどく傷付いた気持ちになった。
それで、彼女をそのまま残して、
スタスタと寝室に行ってベッドに潜り込んだ。
そして、結婚式の疲れもあったのか、
そのまま眠ってしまった。

