この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ex-girlfriend
第5章 消えた彼女

「もしもし…?」
少し問い掛けるように語尾が上がっている。
「美穂ちゃん?」と言ってみたけど、
それ以上、言葉が出てこない。
「小林くん?
あのね。
携帯、壊れちゃってデータも飛んじゃったから、
電話、掛けれなかったの。
SNSもね。
ちゃんとパスワードの管理してなくて、
やっとなんとか繋がったけど、
たくさんメッセージ届いてたみたいで、
どこから読もうかなって思ってて…」
そうだった。
理系に進んだくせに、
美穂ちゃんは絶対に文系脳で、
数字は覚えないし、
機械音痴で、
ちゃんとパスワードなんかもメモしたりしなかった。
ただ、茶室とか、家の設計をしたいからってだけで、
理系になったのを思い出して、
なんだか力が抜けてしまった。
「何処に居るの?
会いたかった。
ずっと会いたくて探してたよ?」
「えっとね。
迎えに来てくれるの?」
「勿論だよ。
何処にだって行くよ」
「パスポート、切れてない?」
「へっ?」
「寒いの苦手で、
台湾に居るの。
台南のホテルで長期滞在してるの。
日本に居るの、辛かったし、
実家のマンション、処分しちゃって、
暫く東京でもホテル暮らししてたの。
そしたらちょうど、台湾で仕事貰ってね。
日本のお茶室と茶庭の設計、頼まれたのよ。
ねえ、こっちまで来れる?」
「行くよ。
住所、メッセンジャーで送って?
すぐ、行くから」と言うと、
「のんびり、待ってるね?」と言って電話は切れた。
少し問い掛けるように語尾が上がっている。
「美穂ちゃん?」と言ってみたけど、
それ以上、言葉が出てこない。
「小林くん?
あのね。
携帯、壊れちゃってデータも飛んじゃったから、
電話、掛けれなかったの。
SNSもね。
ちゃんとパスワードの管理してなくて、
やっとなんとか繋がったけど、
たくさんメッセージ届いてたみたいで、
どこから読もうかなって思ってて…」
そうだった。
理系に進んだくせに、
美穂ちゃんは絶対に文系脳で、
数字は覚えないし、
機械音痴で、
ちゃんとパスワードなんかもメモしたりしなかった。
ただ、茶室とか、家の設計をしたいからってだけで、
理系になったのを思い出して、
なんだか力が抜けてしまった。
「何処に居るの?
会いたかった。
ずっと会いたくて探してたよ?」
「えっとね。
迎えに来てくれるの?」
「勿論だよ。
何処にだって行くよ」
「パスポート、切れてない?」
「へっ?」
「寒いの苦手で、
台湾に居るの。
台南のホテルで長期滞在してるの。
日本に居るの、辛かったし、
実家のマンション、処分しちゃって、
暫く東京でもホテル暮らししてたの。
そしたらちょうど、台湾で仕事貰ってね。
日本のお茶室と茶庭の設計、頼まれたのよ。
ねえ、こっちまで来れる?」
「行くよ。
住所、メッセンジャーで送って?
すぐ、行くから」と言うと、
「のんびり、待ってるね?」と言って電話は切れた。

