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ex-girlfriend
第5章 消えた彼女
「どうしたの?」

優しい声で囁きながら僕の涙を指先で拭ってくれると、
鼻の頭にキスをする。


「美穂ちゃんと永遠に会えなくなったのかと思って、
絶望してたのが、嘘みたいで…。
もう、絶対に居なくならないで?
一緒に居て?」と言って抱き締めると、

「判ったから!
でもね…。
お荷物、纏めないと、
お部屋を変われないから、
手伝って?
それで、続きはその後にして?」と笑う。


「そっか。
そうだね?」と言って、
身体を起こしてあげると、
クスクス笑いながら、

「えっとね。
この袋にバスルームのシャンプーとか、
ボディタオルを入れてきて?
それと、洗面所の電動歯ブラシと薬用クリニカね?」と、
台湾でよく見る縞模様のナイロンっぽい袋を渡される。


「私はクローゼットの服とか、下着を…スーツケースに入れちゃう。
それと、茶器なんかは…手持ちかな?
割れちゃったら嫌だから…」と言って、
ガーメントケースにハンガーごと入れてから、
空気を出すように半分に折って空気を抜くとスーツケースに入れていた。

引き出しからは、多分下着とか細々したものを出して、
布のケースに入れていた。

それと、金庫から書類ケースみたいな形の皮のバッグを取り出して、
普段使ってる大振りのバッグに入れた。


「これが私の全財産なの。
これだけで、ずっと旅するように暮らしてるのよ」
と笑って、
内線で荷物、運んで貰うほどじゃないわね?」と言って、
二人で高層階の部屋に移動した。
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