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第6章 彼女との結婚〜家族になる

「えっ？
これで行くの？」

僕は固まってしまう。

だって、彼女がニコニコしながらヘルメットを渡してスクーターに跨るから。


「後ろに乗って？
大丈夫。
そんなにスピード出さないし、
20分か30分くらいだから！」


僕は慌てて首を振る。


「ダメだよ。
バイクなんて、
万が一、事故に遭ったりしたら！
タクシーで行こう」


「あら！
毎日こちらでは乗ってるのよ？」


「だったら、もう乗らないで？
心配過ぎて、僕の方が無理」


そう言うと、

「心配し過ぎよ？
過保護なんだから！」と笑われてしまった。


それで、コンシェルジュにバイクのキーとヘルメットを渡して、
タクシーを呼んで貰おうとデスクに行くと、
ちょっと笑われてしまったみたいだった。


でも、気にしない。
安全第一。



タクシーの中ではずっと手を繋いでいて、
彼女が軽く道案内をしてくれるのも新鮮だった。


そして、老街と言われる海に近いエリアに到着した。