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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第9章 3月9日と10日の話
いや どこでもいいんだけど
透真 9日にその話を
こっちにして来てから
凄い機嫌いいしなぁ~
一番最初のホワイトデーは
私が イチゴが好きだから
ホテルでやってたイチゴのビュッフェに
連れて行って貰ったんだよなぁ~
イチゴのスイーツが沢山あって
イチゴその物も食べ放題だったし
コロナの時期じゃなかったら
イチゴビュッフェ行きたかったなぁ~
イチゴビュッフェじゃなくても
ゴージャスないちご狩りでも良かったなぁ…とか
「はぁ~、イチゴ。
食べたくなって来ちゃった」
イチゴ狩りで食べるイチゴは
完熟だから スーパーで売ってる
イチゴとは味も香りも全然違うし
別格なんだよなぁって
「イチゴなら、食べられるよ?」
「透真。今の、聞いてたの?」
「うん、片付けも済んで
風呂のお湯張りも出来たからさ
声を掛けに来たらさ。ののかの
大きなため息が聞こえて来たから。
食べたいんでしょ?イチゴ」
「イチゴは食べたいけど…でも」
「コロナが心配なの?今は
いちご狩りも進化してるんだよ?
いちご農家だってさ
収入源のいちご狩りを何年も
無いままじゃ、生計も成り立たないじゃん?
今は、いちご狩り農家もコロナ対策を
する時代なんだってば。一棟貸し切りの
いちご狩りなら、予約してあるよ?」
一棟 貸し切りのいちご狩り?
「貸し切りって事は…」
「ハウスの中は俺達だけだって事」
「でも、…その…だったら」
いちご狩りってハウスでいちごの
品種が分けてあるから
「ああ。ののかの心配はそこだった?
その心配なら、大丈夫だって。
ののかはさぁ、俺をさ
誰だと、思ってる訳?」
そう言って得意そうな顔をしながら
透真が笑って居て
その笑顔が全てを物語って居たのだが
「ののかが、好きな、かおり野と
紅ほっぺが食べ放題だけど?」
「ねぇ、透真…、ありがとうね?
条件に合ういちご狩りしてる所、
私の為に探してくれた…んでしょ?」
そう申し訳なさそうにして
ののかが透真に礼を言って来たので
「ホワイトデーだからな、今度は
俺がののかに、サービスする日でしょ?
お礼は要らないって。俺はののかから
バレンタイン受け取ってるからさ」