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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第10章 3月11日の話
「ののか。どうする?
ののかトイレ行きたい?」
「多分、途中で行きたくなるかもだけど。
30分ぐらいなら…先に行こうかな」
「30分じゃないよ?ののか。
前に、30分じゃ短すぎる
いちご狩りは最低でも、
1時間はないとと言ってたのは誰よ?」
品種によって ハウス別れてる系の
いちご狩りだと移動するから
30分は短すぎるとは思うけど
「えっ、じゃあ、もしかして透真。
2枠予約してくれてたの?
私が、かおり野と紅ほっぺ
両方食べられる様にしてくれてたんだよね?」
「いや、そうじゃないんだなぁ~これが」
「え?じゃあ、どういう事?」
透真が指を三本立ててこちらへ
向けて 振りながら見せて来て
「俺が予約したのは、3枠だ」
「章姫食べたかったって事?」
「それもあるしさ、その辺りの
こっちのさ融通をどの程度、利かせて
貰えるのか調整したんだけどさ。
いや、普通に3枠予約して
30分毎で移動でも良かったんだけど。
後から、あれもう一度食べたいと
ののかが言い出しそうだったからさ」
あ そうか 30分で移動したら
前の品種はもう食べれないからか
「それって、前ーに、
一緒にいちご狩りに行った時に
私が、あっちこっち食べて、行ったり
来たり、戻ったりしてたから?」
「ああ、だからさ、
こっちの人にさ、それが出来るかの
調整を、付けて貰ってたんだって」
「透真…様、神すぎん?」
「ん?お礼を言うのはいちごを
食べてからで良くない?
それに、いちごが美味しすぎて
食べ過ぎちゃったら…昨日みたいに」
慌ててとんでもない発言を
しそうな透真の口を
ののかが自分の手で塞ぐと
「ダメッ、透真。変な事
言わないでよっ、ここ、外だから」
昨日みたいにと言われて
いちご食べる為にした
運動の事を思い出してしまって
「顔が、いちごになってるよ?」
「透真の所為でしょ?
まだ、いちご食べてないもんっ」
お手洗いを済ませて
いちご狩りのルールを説明して貰って
いちご狩りをするハウスへ案内される
一列だけいちごがあって
その両サイドに人一人分の通路があって
ハウスの大きさもこじんまりとしている