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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第11章 ホテルにて…*

「んっ、ふ、…はぁ、んッ」

キスの才能…なんて

あっても無くてもいいんじゃないかって
そんな事をぼんやりと考えていた

だって 私に
その才能があったとしても

透真の方からキスするんじゃ
私の才能のあるなしなんて

どうでも いいんじゃないかな…?

ちゅ…ちゅ…と舌を絡めた
口付けの合間に 唇を啄む様にされて

好きだなって思う

「ねぇ、透真…」

「ん?どうした?ののか」

「透真のキス…、好きだよ」

「そう?それって褒めてくれてるの?
俺も、ののかとキスするの好きだよ?」

そのまま しばらく
お互いに溺れながら口付けを交わす

スルッと彼の手が背中を撫でて
ゾワゾワと背筋をくすぐる

「んぅ、ふ、…ふぁ…ん゛んッ」

「…ののか、風呂…入らない?」

「え?でもプリンとフルーツ
残ってるよ?」

「これだけ残して置いてさ、後は
片付けて貰おうよ。きっと運動したらさ
お腹が空くかも知れないじゃん?」

馬鹿と思わず言いたくなったけど
でも 透真の言うのも一理あるのかも?
終わった後にお腹空いちゃうかも…

それから 透真が片付けの依頼の
電話をフロントに入れて

仲居さん達が片付けてくれるのを
どうにもソワソワとしながら
笑顔を作って見守って

すっかり食事の前に戻った部屋に
2人きりになる

そうだ この部屋和洋室だから
ベットあるから 
布団はお世話にならなくていいんだった

「落ち着かなかったの?ののか」

「別に…、そんなんじゃないもん」

「ののかは、可愛いな。
ののかのそんな所も、俺は好きだけどね。
さぁ、一緒に風呂に入ろう。っと
言う前に、もうひとつ…、俺から
ののかに、お願いしたい事があるんだよねぇ~」

そう言って自分の荷物の中から
何かを取り出してののかに
手を出す様にと促した

はいと手の上に何かを乗せられて

自分の手の上を見ると

小さく畳まれた 白い何かで

「温泉の浴衣なら、白じゃない?」

その一言でそれが何かは
ののかには分かったが

うん もう 馬鹿だな この人…と

さっきの透真の話を思い返して
ののかは呆れつつも

ぴらんとそれを広げると
総レースの白のショーツで
サイドは太目のリボンになった
面積の小さめの紐パンだった

「紐パン…ね」

「白には白で赤にはないさ、
良さがあるよね?」

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