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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第3章 2月10日の話…

自分で用意しておいてアレだけど
これ…ドン引きされたりしないかな??

後 夕飯は2月になったら
茎わかめが出て来る時期だから

茎わかめの酢の物と豚汁と
余った大根でふろふき大根にした

恐らくに彼がタンパク質が足りないとかって
言って来そうだったので
冷凍庫に入ってた中途半端な残り物の
ささみをピカタにしておいた

茎わかめはもう1パックあるから
佃煮にして置いたら
しばらくの間楽しめるし

ごま油でシーチキンと一緒に
炒めてもいいなぁ

ああそうだ レモンだ

透真がチルドルームにあるって言ってた

夕飯の時にレモン水にして飲もうっと
鳥の形をしている絞り器は
私がレモン水を作るのに 
レモン絞るの専用に購入した物で
カットしたレモンと絞り器をテーブルに置いた

そうしてる内に透真が帰って来て

「お帰り、透真。夕飯出来てるよ」

「ああ、ののか。ただいま。
そうだ、ののかさ、手、出してくれない?
ののかにさ、渡して置きたい物があるの」

そう言って 透真が
スーパーの袋に入った
何かをののかに差し出して来て

「透真、これ何?」

「見ればわかるって」

まぁ それはそうなんだけど…と
そう思いながらに ののかが
その袋の中を覗き込むと

見慣れた物が入っていた

「え?これ…、ハーシーの
チョコレートシロップ…でしょ?
パンケーキとかパフェとかに掛けるあれだよね?」

「もうすぐ、バレンタインじゃん?
今年は、平日だけどさ。入籍するしさ、
有休取ろうよって言ってたじゃん?
去年はさなんだかんだ言って、俺もさ
ののかに申し訳ない事をしたなって
俺なりに反省してるんだって、マジッで」

ああ あれ…自分でも反省してたんだ

私にチョコないのってダメ出ししたの

気にしてたのか…透真

でも バレンタインの話をして

私にこれを渡して来たって事は…


やっぱり…これを私にあれする感じ?


「俺はさ、
…チョコはあまり好きじゃないけどさ。
一緒に食べる物を工夫すれば、
苦手なチョコも悪くないって
感じられるんじゃないか…って、
そんな顔をして俺を見ないでくれない?」

「いや、こんな顔にもなるって。
要するにこれを…透真は、その…私に…」


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