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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第4章 2月13日の午後の話
身体を洗いながら
ののかが透真が戻るのを待って居ると

透真が中でフロントに
電話してるみたいだったから
何かを頼んだみたいだったけど

透真も電話を済ませて戻って来て

「お待たせ、ののか」

「いや、5分も待ってないけど…」

洗い終わって予め湯を張って置いた
露天風呂に2人で浸かる

「2人には大きすぎるサイズだよね。
凄い贅沢~って感じがする」

「温泉じゃないけどね?
もっと贅沢な気分になれる物がさ
もうちょっとしたら来るから待っててよ」

と言っていた通りにインターホンがなって
受け取り用の小さな手しか見えない窓口から
届いた物を透真が受け取るとこちらに戻って来て

届いたのはグラスビールで

「成程ね、冷えたビールを
あのガゼボで飲むって算段だったの?
確かにそれは、かなり贅沢って感じするね」

こんな時間にサウナと岩盤浴で
たっぷりと心地いい汗を流して

2人には勿体ない大きさの

大きな露天風呂に入って

お洒落なガゼボでビール飲むとか…

確かに…ちょっとした贅沢過ぎるな

「ちょっとはさ、県内は県内だけど
旅行の気分は味わえた?ののか」

透真が自分の身体を洗う間
ビールを預かって
ガゼボの様になっているデイベッドへ運んだ

お風呂に入って浸かると
透真がバスローブを羽織って
私が先に寛いでいる
ガゼボの様になっている
デイベッドの方へと来る

「こう言うのさ、貸し切りの風呂のある
ホテルとかのホームページで
見たことあるけど。結構いいじゃん」

「でも、ああ言う普通のホテルの
貸切風呂だと、時間も短いから、
折角あっても使う暇ないかもね」

そう言いながら
ビールの入ったグラスを
ののかが透真の方へ差し出して来て

お互いの持っているグラスと
チンと合わせて乾杯をすると
良く冷えたビールを喉に流し込んだ

「はぁ~っ、ビール美味いわ」

「サウナと岩盤浴でさ
汗かいたからじゃない?」

「なら、もっと汗かいてさ
ビール美味くなる様にする?」

「え?ここ…で?今から?
でも…、そんな事してたらビール
してる間に温くなっちゃうんじゃ…」

グイっとグラスに残って居た
ビールを透真が飲み干すと

「その頃には、買って来て
冷蔵庫で冷やしてあるのやつがさ
いい感じに冷えてるって」


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